日本の不動産に国内外の投資マネーが流入している。
上場不動産投資信託(REIT)や私募ファンドの2021年6月末で44.1兆円と1年前より3.4兆円増え、過去最高を更新した。
低金利に悩む地銀や海外投資家が安定利回りの日本不動産に投資をしている。(賃料収入を物件価格で割った投資利回りは3%前後で安定)
地銀や信金が投資をする私募ファンドが足元では23兆円と20兆円の上場REITを上回る。
外資系ファンドによる大型取引も目立ち、2020年に海外から日本への投資額は前年比24%増えた。
こういったファンドはコロナ禍で苦しむ企業が自社物件を手放す受け皿になっている。2021/1〜6月の国内不動産売却額は事業法人(不動産・建設除く)と金融法人が6,583億円とリーマン危機前以来の高水準となった。
所見
手元キャッシュを増やすため、コロナ禍で苦しい企業が不動産を手放す。不動産保有するのには維持コストがかかる。運用難に困る地銀や海外ファンドとマッチする構図。
一方、コロナ禍で在宅ワークが根付く企業はオフィスの返却(ヤフーがオフィス4割返却)に動いている。オフィスの空室率は6%を超えてきた。利回りが下がると物件価格は下がる。
不動産投資は利回りの安定以上にリスクがある、これが失敗したら地銀は大打撃。
金融機関の再編が早まるかもしれない。