政府は9/17、ワクチン接種情報をオンラインで証明する仕組みを公開した。年内にマイナンバーカードを使い、スマホアプリ上で申請すれば直ちに発行、画面に表示されるQRコードが接種証明証となる。
現在、日本国内ではワクチン接種を済ませた人に「接種済み証」を渡しているが、海外のように行動制限の緩和やサービスを認めるための「接種証明書」はない。海外渡航目的に限って書面の接種証明書を発行し、国内向けの利用は想定していない。
政府は10〜11月に飲食店の営業時間の延長や、会食・イベントの参加人数の拡大を検討している。緊急事態宣言の解除地域などでワクチン接種を受けた人に限定して会場への入場を認めるような実証実験をする予定。ただ、その時点では接種証明書は間に合わないため、確認には「接種済み証」、PCR検査の「陰性証明」の提示を求める見込み。
今回発表の『接種証明書』は、「接種済み証」「陰性証明」とは別に国内向けに公式に使えるものとなる。原則スマホで利用する方針だ。スマホはオンラインで本人を証明する機能があり、国のワクチン接種記録システム(VRS)に繋げて情報を共有できる。
利用者はアプリを通じて発行を申請し、マイナンバーカードを読み取って4桁の暗証番号を入力する。即時発行され、役所などの窓口に行く必要も無い。アプリに表示されるQRコードが『接種証明書』となる。本人情報や接種歴の情報を表示し、偽造防止の電子署名もつく。
政府はスマホの『接種証明書』とは別にネットで接種情報を確認するシステムをつくる。接種券番号と生年月日を入力すると国のVRSから最終接種日や接種回数の情報がわかる仕組み。飲食店などの民間企業が同システムを利用すれば、「接種済み証」や『接種証明書』がなくてもその場で接種の確認ができる。12月前に開始の見込み。
所見
『接種証明書』の利用が広がれば、ワクチン接種をする人も増える。ワクチン否定派は反対もするだろうが、気にせず進めてほしい。同時にマイナンバーカードの利用者も増えるので、政府は一石二鳥になる。
ワクチンがコロナに対して完璧なものではないが、重症化リスクなどは一定抑えられる。当たり前の日常を取り戻すべく、攻めも守りも対策をどんどん出してほしい。
デジタル庁の最初の大仕事になるだろう。