今回為替介入は5.5兆円規模
政府・日銀が21日に実施した円買い・ドル売りの為替介入が5.5兆円規模に達した可能性があることが24日、市場参加者の推計でわかった。
日銀が24日に公表した25日の当座預金残高の見通しから推計した。
正式には財務省が後日発表するが、9月22日に実施した2.8兆円を大幅に上回り、円買い介入としては過去最大となった可能性がある。
政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を行うと、民間金融機関が日銀に預けている当座預金から円が国庫に移動し、当座預金の減少要因になる。
決済は2営業日後になるため、10月21日の介入結果は25日の当座預金残高に反映される。
日銀が24日発表した25日の当座預金残高の見通しで、為替介入を反映する「財政等要因」による当座預金の減少額は1兆1800億円だった。
日銀は月初に4兆3000億円程度の増加を見込んでいた。
両者の差額である約5兆4800億円が円買い介入の実施額と推測される。短資会社も4兆2000億~4兆3000億円の増加を予想していた。
1ドル151円90銭台→一時144円台へ
21日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が一時1ドル=151円90銭台と32年ぶりの安値を更新した。
その後、政府・日銀による円買い介入を受けて一時1ドル=144円台まで円高が進んだ。
24日の東京市場でも一時1ドル=149円台後半まで下げた後、145円台まで急騰する場面があり、追加介入の観測が浮上している。
財務省は31日に9月29日~10月27日の合計介入額を公表する。
10~12月の日次ベースの介入額は2023年2月上旬に明らかにする。