自民党の茂木敏充幹事長は29日のNHK番組で、過去に自民党が児童手当の所得制限を訴えてきた経緯について「反省する」と述べた。
立憲民主党の岡田克也幹事長から所得制限をこれまで主張していたのは自民党だったと指摘されて答えた。
茂木氏は児童手当に関し「所得制限をなくすべきだ。その方向でまとめていきたい」と改めて意欲を示した。
「時代の変化に応じて必要な政策の見直しをちゅうちょなくする」と説明した。
「一緒にやりましょうよ。過去にどうだったではなく、みんなで良い方向に持っていくことが必要だ」と協力を呼びかけた。
公明党の石井啓一幹事長は「18歳までの拡大、所得制限の撤廃、支給額増額など大幅な拡充を目指したい」と同調した。
岡田氏は「10数年たって、ようやく自民党が追いついてきたかという思いだ」と批判した。
日本維新の会の藤田文武幹事長は「(自民党の)方針転換には歓迎する」と話した。
自民党は民主党政権が2010年に導入した所得制限のない「子ども手当」に反発した。
茂木氏自ら11年の国会質疑で「厳しい財政状況の中でかなりなレベルの所得制限が必要だ」と強調したことがある。
茂木氏は少子化対策の財源についても言及した。「増税ありきで議論を進めることはない」と強調した。
「必要な施策を決めた上で、どういうタイミングで導入していくか優先順位を決める」と話した。
児童手当の支給額は中学生以下の子供1人あたり原則1万〜1万5千円。
夫婦と子供2人の世帯の場合、世帯主年収が960万円以上で5千円に減額し、1200万円を超える世帯には給付しない所得制限がある。
茂木氏は25日の衆院本会議で「全ての子どもの育ちを支える観点から所得制限を撤廃すべきだ」と提起していた。