燃料価格が高騰して、電気料金が上がり続けているらしいですね
電気料金の上昇が長期化している。発電に使う液化天然ガス(LNG)など燃料費が高騰しているためだ。
大手電力3社の2021年12月の電気料金は11月に比べて、約2%上昇する見通し。
2022年1月以降も上昇が続く公算が高く、割安な価格を売りにしていた「新電力」の経営に大打撃を与えている。
電気料金の算出方法
電気料金は燃料価格を自動反映する「燃料費調整制度」を踏まえて決められる。
3ヶ月分の平均燃料価格を2ヶ月先の料金に反映する。
2021年12月の電気料金を7〜9月に輸入した燃料価格から算出すると、東京電力は前年同月比の18%増の7485円(一般的な家庭)となり、
2016年の電力小売り全面自由化以降で最高値となる見込み。
関西電力は同11%増の7095円、中部電力は同16%増の7150円程度になる見込み。
なぜ高騰するのか
電気料金を押し上げているのは、発電に使うLNGの高騰が主因。
日本向けのスポット価格は2021年3月ごろから上がり始め、9月には欧州ガス危機の影響もあり、
前年同月比の5倍以上となった。
石炭や石油などもあがっている。
新電力へ大打撃
約800社に上る新電力にも影響を及ぼす。
新電力は小売りする電力の大半を卸市場からの調達に頼っている。
卸価格はLNGスポット価格と相関があるため、LNG高騰による経営への打撃が大手電力より大きい。
通常は、新電力の電気料金は大手電力より数%安い。これが新電力の最大の売りだった。
燃料価格高騰を受け、新電力の電気料金の見直しが相次ぐ可能性が出てきた。
卸電力価格の状況
日本卸電力取引所の卸電力価格は、2021年10月に1キロワット時あたり50円を超えた。9ヶ月ぶりの高値だ。
2021年10月の平均価格は12円となり、2020年10月と比べて2倍以上となった。
「卸市場はパニック状態になっている」と新電力の関係者は話す。
価格高騰のもう一つの理由
「再生可能エネルギーの導入で市場構造が変化したことも背景にある」と専門家は指摘する。
火力発電所の休廃止が進む一方、天候で電力が変動する太陽光発電が急増。「秋から春先にかけて卸電力価格が急騰しやすくなった」とのこと。
寒波の影響でLNGが不足した2020年12月〜1月は卸価格が一時1キロワット時250円を超え、新電力が電力を確保できず大手電力に肩代わりしてもらうためのペナルティーを払うケースが続出した。
3月に新電力大手の「エフパワー」が経営破綻した。
今後も暖房需要の高まる冬場に向けて家計を圧迫しそうだ。
所見
コロナからの回復で、需要が急激に増え、供給が追いついていない。
さらにOPECなどは原油減産に動き、供給も絞られている。燃料が高騰するのは必然となっている。
新電力の会社800社には大打撃である。
ある意味マネーゲームの被害者とも言える、
新電力は電力価格の適正な競争のため必要だと思う。政府には何とか救ってほしい。