コロナ対策で大風呂敷を広げて、使えていない予算が30兆円弱。
経済対策を考えてくれるなら、給付金で使い切ってくれれば良いのに。国民1人20万円配っても26兆円。
21年度、一般会計で6.3兆円「不要」
2021年度の国の一般会計決算の概要が判明した。
結果的に使う必要のなくなった「不用額」が過去最大の6.3兆円に上った。
これとは別に22.4兆円の執行を22年度に繰り越した。
20年度の約30兆円に次ぐ規模で2年連続で巨額になった。
使い残した歳出はあわせて30兆円弱となり、新型コロナウイルス対策で規模拡大を優先した予算編成が透ける。
異例の繰越額、年度内に予算使えず
翌年度への繰越額は19年度以前は10兆円に届いたことはなかった。
20、21年度の金額は異例の大きさで、年度内に使い切るという政府予算の原則がコロナの感染拡大以降、守られにくくなっている。
21年度は107兆円弱の当初予算に加え、コロナ対策と景気対策を賄う36兆円弱の補正予算が21年12月に成立した。
歳出総額は142兆円強だった。20年度からの繰り越しもあり、使い残しが膨らんだ。
不用額は予算計上したものの支出を断念したり、節約したりして浮いた金額を指す。
中小企業やサービス産業の支援策を中心に6.3兆円生じた。
コロナ対策費を積んだ20年度に前年度の2.2倍の3.9兆円弱に膨らみ、21年度はさらに6割増えた。
21年度補正予算には幅広い世帯への給付や観光の需要喚起策、国土強靱(きょうじん)化などを盛った。
コロナの感染拡大が収束せずに執行が遅れたほか、手厚い支援の姿勢を示そうとして使い切れない金額を計上した面もある。
20年度税収は67兆円と過去最高
税収は20年度を6.2兆円上回る67.0兆円だった。
2年続けて最高を更新した。
企業業績の回復や雇用環境の改善で法人税と所得税がそれぞれ2兆円以上増えた。
56.5兆円の発行を予定した赤字国債のうち8兆円をとりやめた。歳出入の差額の剰余金は1.4兆円だった。