岸田文雄首相は31日の衆院予算委員会で、少子化対策の一環として結婚を控えた若いカップルや子育て世帯への住宅支援を拡充する意向を示した。
「思い切った支援が必要だ。子ども・子育て政策の一つとして住宅は重要な視点だ」と述べた。
「若者の賃金を上げ、住宅の充実をはかる取り組みは、結婚して子どもを持つ希望をかなえる上で大変重要な要素だ」と語った。
立憲民主党の長妻昭政調会長への答弁。
物価高や住宅価格の上昇で、現役世代にとって子育てしやすい家を持ちづらくなったとの見方がある。
住宅支援を子育て政策の一部とし、希望する人が子どもを産みやすい環境づくりにつなげる。
首相は「世界的にみても中間層を拡充する際に中間層の負担として挙げられるのは教育と住宅と言われている」と言及した。
日本維新の会の岩谷良平氏の質問に答えた。
自民党の萩生田光一政調会長も30日の予算委で、公営住宅や民間の空き家を活用し、子育て世帯に優先的に貸し出すよう促した。
斉藤鉄夫国土交通相は仕組みを検討する考えを表明した。
政府は3月に少子化対策の強化のたたき台をまとめ、6月に決める経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛る。
首相は31日の予算委で「男性や独身者など子育てに関与が薄いとされた人も巻き込み、次元の異なる対策をつくる」と主張した。
首相は児童手当の所得制限撤廃の是非に関し「政府として大きな関心を持ち、注視した上で方針を決定していきたい」と強調した。
旧民主党政権が導入した所得制限のない「子ども手当」を巡り当時野党だった自民党が反発していたことでは「反省すべきは反省しないといけない」と話した。
そのときの批判が「節度あるものだったのか改めて振り返らないといけない」と言明した。
当時から10年以上たち「経済的支援を重視してもらいたいという声が強まっているなど政策のニーズも変化している」とも説明した。
「児童手当をはじめとする経済的支援の充実の具体化を急ぎたい」と触れた。