ルノーへ出資比率引き下げ要請
日産自動車が仏ルノーに、出資比率の引き下げを要請していることが11日、分かった。
ルノーは現在、日産株43%を保有している。
これを15%まで下げ、日産が持つルノー株の15%にそろえるのを軸に協議を進める。
日産は資本関係を課題と捉え、ルノーも多数の株を持つ必要性が薄れてきた。電気自動車(EV)シフトが世界的な潮流となる中、世界車大手の一角をなす2社の提携枠組みも変革を迫られる。
経営難に陥った日産がルノーからの出資を受け入れて始まった20年以上続く資本関係が変わる可能性が高まってきた。
日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は10日、横浜市の日産本社でルノーのルカ・デメオCEOと会談した。
日産への出資比率の引き下げや、ルノーが設立準備を進めるEV新会社への出資などについて議論を交わした。
日産幹部は「(比率引き下げについて)ルノー側も前向きに検討を進めている認識だ」としている。
仏政府も引き下げについて反対しないとみられている。内田社長との会談後、日本経済新聞の取材に応じたデメオ氏は「さらに具体的に議論をする必要があるが進展はあった」と述べた。
ルノーは1999年、経営不振に陥った日産の株37%を約6千億円で取得。
ルノーは最高執行責任者としてカルロス・ゴーン被告を派遣した。
対等の関係が望ましい
規模で劣るルノーに主導権があることに、日産側は「対等の関係にするのが望ましい」(幹部)としてきた。
ルノー側もEVシフトで多額の投資を必要とする中、多数の株を保有し続ける必要性は小さくなった。
三菱自動車も含めた日仏3社連合は、新しい提携内容を11月中旬に発表する予定だ。比率引き下げの具体的な数値や時期、手法などについて詳細を詰めていく。