太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
企業が社会的責務を果たしていることを納税額を公表でアピール🤔
法人税をどの国や地域でいくら納めているかなどを公表する企業が相次いでいる。
欧州企業が先行し、花王やセブン&アイ・ホールディングスなど20社以上の日本企業にも広がった。
グローバル企業が過度な節税策により税負担を低くすることなどに世界的な批判が強まり、消費者や投資家の目が厳しくなった。
欧州や豪州では納税情報の開示を求める法制の整備も進む。
花王は2019年から各国・地域別の納税額などの情報を公開している
主要100社の内、20社以上が開示
国内の主要100社を中心に調べたところ、ここ数年で花王やセブン&アイなど20社以上が開示に踏み切っていたことが分かった。
クボタなど12社は、今後の開示に向けた検討や準備を進めている。
クボタは現在、全世界での法人税の納税総額(2020年12月期で計574億円)を公表しているが、23年にも国や地域別の詳細データの開示に踏み切る計画だ。
日本や米国、欧州、アジアなどに分け、納税額をホームページ(HP)などで示すことを検討する。
能勢英雄税務部長は「事業のグローバル化で、各拠点できちんと納税をしていることはステークホルダー(利害関係者)へのメッセージとなる」と話す。
国・地域別の納税額の開示広がる
多くの企業はESG(環境・社会・企業統治)の強化の一環と位置づける。
21年から日本や世界の地域別の納税額を開示する鹿島は「海外のESG評価機関から透明性の高さで一定の評価を受けている」とする。
花王も19年から日本や米国、中国などでの納税額などを公表している。
財務諸表では納税額はわからない
会計と税務で損益計算のルールなどが違うため、財務諸表だけでは企業が、どの国にいくら納税したかなどの詳細は分からない。
大手税理士法人の税理士は「会計上の利益が多い企業でも、その年の税負担が生じていない例がある」と話す。
納税情報の開示はトレンド
納税情報の透明化は世界的な潮流となっている。
その背景には、グローバル企業が各国の税制の差を利用した節税策などで税負担を軽くする「税逃れ」への批判がある。
成長企業にうまく課税できず、各国で法人税の存在感が薄まった。
法人税収の国内総生産(GDP)比は、1990年代に2%前後だった米国が19年に1%以下に急落。英国や日本も比率を落としている。
税負担が軽くなったIT大手などは余った資金を自社株買いなどに充てた。
莫大な富はもっぱら投資家などの高所得者に還元され、課税を通じて社会全体へ再配分されなくなった。
格差拡大の要因になったとされる。
欧州では2010年代以降、企業の納税状況への消費者や投資家の目が厳しくなり、企業が自主的に納税額を公開する動きが先行した。
英ボーダフォン・グループは13年から本格的な公表を始め、現在は60以上の国・地域別の収入や納税額を詳細に示す報告書を毎年まとめる。
仏ダノンやオランダのハイネケン、スイスのネスレなども各国別などの詳しい納税情報を明かしている。
タックスヘイブンの抑止にも
税務情報の透明化はタックスヘイブン(租税回避地)などを使う節税策の歯止めにもつながる。
米スターバックスは12年に英国でほとんど税金を払っていないと報じられ不買運動に発展。2千万ポンドの自主納付に追い込まれた。
日本ではかつて『企業版長者番付』を発表
日本では現在、企業が法人税の納税額などを公表する義務はない。
かつては国税当局が企業の申告所得額を公示する、いわゆる「企業版長者番付」の制度があったが06年に廃止された。
海外では税額公表の義務づけも
海外では法制化の動きも出ている。
欧州連合(EU)は21年末、EU内で事業を営む大企業や多国籍企業にEU各国などでの納税額などの公表を義務付けるルール導入を決めた。
23年6月までに各国法が整備され、多くの日本企業も対象となる見込みだ。
オーストラリアも13年以降、大企業の税務情報を公表する制度を導入した。
EY税理士法人の関谷浩一パートナーは「欧州企業より低いESG評価を避けるためにも、自主的に納税情報を示す日本企業は今後も増える可能性がある」と指摘する。
国際税制に詳しい一橋大の吉村政穂教授は「多国籍企業に税の透明性を求める声は根強い。
社会的責任などの観点から、投資家や消費者が税務に関する情報を開示する企業を評価する流れが強まっている」と話す。
所見
納税は社会的責任の一つ。ESGが重視される中では、納税状況も公表することがトレンドになる。
タックスヘイブンなどの利用も減るだろうが、納税分が企業収益の圧迫につながる。
税金を徴収した国が、どのように利用するか重要になってくる。