ダウ823ドル高(2.7%)
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。
前日比823ドル32セント(2.7%)高の3万1500ドル68セントで終えた。
今月に入って前日までに2300ドルほど下げており、短期的な戻りを期待した買いが入った。
期待インフレ率低下、利上げ観測の和らぎ
消費者の期待インフレ率の低下を示す米経済指標の発表を受け、米連邦準備理事会(FRB)の急速な利上げ観測がやや和らぎ、株買いを後押しした面もあった。
ダウ平均は週間では5.4%高と4週ぶりに上昇した。
上昇率は今年3番目の大きさ。
ミシガン大学が24日午前に発表した6月の消費者態度指数(確報値)は50.0と統計開始以来で最低となった。ただ、同調査で消費者が予想する1年先と5年先のインフレ率は速報値から低下した。
同調査の速報値で示された期待インフレ率の高まりはFRBが6月に大幅利上げを決めた一因になったとされており、利上げ加速への過度な警戒感が後退した。
米長期金利も一服、ハイテク株の追い風
米長期金利の上昇一服感も株買いを支えた。米10年債利回りは前週に3.5%に迫る場面があったが、24日はおおむね3.1%台前半で推移した。
長期金利が低下すると買われやすいハイテク株の追い風となった。
顧客情報管理のセールスフォースは7%高、ソフトウエアのマイクロソフトは3%高で終えた。
前日に下げが目立った景気敏感株にも押し目買いが入った。
航空機のボーイングが6%高、化学のダウは4%高となった。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も高い。消費関連株ではスポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザの上げが目立った。
金融株、ストレステスト合格で安心感
金融株も高い。前日にFRBが結果を公表したストレステスト(健全性審査)で、すべての銀行が不況時にも最低限必要な自己資本を維持できるとの見解を示した。
これを受けて金融機関が株主還元を相次ぎ発表するとの期待から、ゴールドマン・サックスは6%高、JPモルガン・チェースは3%高で終えた。
NASDAQは3.3%高
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、前日比375.427ポイント(3.3%)高の1万1607.620で終えた。
主力ハイテク株が軒並み買われ、前日に下げが目立った半導体株も高い。ナスダック指数は週間では7.5%高と4週ぶりに上げた。
所見
消費者態度指数が統計以来最低の数字になったことで、株が爆上げする。
本来、景気の好調度を測る指数で上がった方が景気が良いということであるが、皮肉な動き。
株価には景気は関係無いということか。