楽天グループがクレジットカード事業を軸に金融事業の拡大戦略に踏み出す。取扱高を現在の2.5倍の30兆円に増やし、発行枚数とシェアも大きく引き上げる。近々、中期計画として公表予定。
取扱高30兆円、発行3000万枚、シェア30%
楽天の穂坂副会長は「2〜3年以内にカード発行枚数を3000万枚まで増やし、カード業界でのシェアを30%まで高めて取扱高を30兆円に増やす」とインタビューで答えた。
【楽天が目指す姿】
取扱高 | 12兆円 | → | 30兆円 |
シェア | 20% | → | 30% |
発行枚数 | 2300万枚 | → | 3000万枚 |
楽天は金融事業への収益依存が高まっている
楽天グループは2021年9月、「楽天銀行」の上場準備を始めると発表した。新規参入した携帯通信事業の先行投資で財務基盤が悪化するなか、新規株式公開(IPO)を通じて資金を確保する。
金融事業を強化し、安定した収益でグループの新規事業への投資を支える狙いだ。楽天グループの売上高の内訳は、EC(楽天市場)などのインターネットサービスが5割、新規参入の携帯電話事業は12%、35%をフィンテックなど金融事業が稼ぐ構造。営業利益率ではフィンテックが14.7%、ネットサービスが7.3%と、フィンテックの利益率が高い。
金融部門で中心にあるのが、楽天カード。取扱高は12兆円と業界首位でシェア2割となっている。30兆円を達成するとグローバルでの展開も視野に入れる。当面国内では若年層など新たな顧客の取り込みと「2枚目戦略」で拡大を図る。これまで楽天カードはメインカード化を主眼としていた。1人当たりの利用額を増やすためだ。この方針を転換する。2枚目のカード発行は2021年6月から許容し、1人あたりの利用額を3割伸ばせる見込みとのこと。
楽天銀行、楽天証券ともからめていく
楽天銀行が1100万口座、楽天証券も600万口座とネット系の中ではそれぞれトップクラスに拡大した。楽天は銀行とカード、証券の組み合わせで利用する顧客の拡大を目標に揚げ、楽天証券での買い注文時に楽天銀行の預金残高から不足資金を自動入金するなどの連携を深めている。
楽天経済圏
楽天のポイントを使えるサービス群は通称「楽天経済圏」と呼ばれる。ECの楽天市場や携帯電話、金融など様々なサービスをポイントを貯めたり使ったり出来る。楽天経済圏はカード利用などでたまるポイントの9割が利用されることが特徴。ポイントは顧客囲い込みの道具としても機能する反面、既存客との関係ではコストとしてのしかかる。クレカ事業のキャッシングなど収益向上策が急務。
所見
私も楽天経済圏には、どっぷり浸かっている。楽天カード、銀行、証券、携帯、楽天光、電気、楽天市場、ポイントがたくさんたまり、使えるのが経済的だと感じてしまう。携帯の電波は良く無いので、結局2台持ちとなっているが、楽天携帯は使わなければ無料ということもあり負担は無い。
色々、「お得に」を突き詰めると楽天経済圏に行き着く。この便利さが日本で普及すると楽天グループはさらに大きくなると思う。一方、携帯事業は相当足枷になっている模様。モバイル事業失敗となると、収益補填するため、その他サービスの質が悪くなるので、私も楽天経済圏から出ることになる。お得に生きるため、楽天モバイルを応援するしかない。