資金洗浄(マネーロンダリング)対策の強化に向けた連携が加速してきた。
国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が2021年8月に公表した日本の審査結果は日常的に顧客の取引実態などを把握する「継続的顧客管理」の不備を指摘するものであり、実質的に「マネロン対策が不合格」となった。預金口座開設だけでなく、その後の取引内容や口座の利用者が名義人本人か継続的にチェックするように求められた。
共同で不正検知システムの開発
電力会社と銀行
口座保有者の所在確認のため、現在ははがきを送付して確かめている。銀行が電力会社に照会をかけ、口座保有者の情報更新に役立てられれば、定期的な所在確認にかかる手間やコストを大幅に減られせる可能性がある。銀行に登録された住所が電力設備が稼働していない住所だと把握できれば、紐づく口座を重点的に監視し、不審なお金の動きを早期に察知することができる。電力会社と銀行が連携が始まるようだ。
SBIホールディングス子会社とNEC
両者の共同出資会社は銀行向けにスマートフォン決済事業者と口座連携する際の不正な現金引出しを防ぐシステムの提供を始めた。銀行とスマホ決済事業者それぞれが実施している本人確認や認証を共通化し、生体情報を絡めて精度を上げた。島根銀行が今年6月に初めて採用した。
金融機関、各銀行が共同参加するシステム開発
各銀行が取引明細や顧客属性に関する大量のデータを人口知能(AI)に読み込ませる仕組みで、不正が疑われると判断した取引を行員が詳細に分析する。全国銀行協会やNECなどが実証実験をしており、実用化に向けた検討を進めている。
金融庁は今年10月にも個人情報の扱いを含めた制度を整備するための作業部会をつくる。自社システム整備に限界がある地銀などに活用を促す予定。
所見
マネロン対策は1つの銀行がだけが行っても効果が無い。色々な会社、機関が共同して行わないと抜け穴が沢山ある。電力データを利用するのはとても良いアイデアだと思う。これで届出住所に住んでいるか、明確になる。個人情報の過度な管理、締め付けすぎ、という反論も予想されるが、犯罪を減らすためには、お金の動きを止めるしかない。
銀行口座利用者は、是非理解してほしい。