太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
コロナ禍の検診控えにより、隠れがん患者が4万5千人🤔
2年以上続く新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)では感染症による直接的な健康被害だけでなく、コロナ以外の病気への余波が大きくなっている。
受診・検診控えのほか、外出や人との交流の減少も健康状態に影響を及ぼす。
コロナ禍の裏で何が起きているのか。
日本人の死因で最も多いがんについて日本対がん協会の垣添忠生会長に聞いた。
がんの集団検診の受信者が3割減った
新型コロナの影響でがん検診を受ける人が大幅に減った。
日本対がん協会では毎年、全国42支部で約1100万人のがん検診を実施し、約1万3千人のがんを発見している。
パンデミックが始まった2020年は調査に回答した32支部で胃、肺、大腸、乳房、子宮頸(けい)部の5つのがんの集団検診の受診者が前年より3割減った。
がん関連の3学会と協力して21年7~8月に実施したアンケート調査では、がん診療連携拠点病院など約100施設が回答し、20年にがんの診断件数は8万660件で、19年より約8千件(9.2%)も減ったことが分かった。
がんの未発見4万5千人に上る推計
回答率は約2割で、日本全体でがんが未発見だった人は約4万5千人に上ると推計した。
その後、国立がん研究センターが公表した20年にがんと診断された患者は全国約600施設で約6万人減少していた。集計を始めた07年以降で初の減少だった。
コロナ禍でもがん発症数は変わらないはず
コロナが日本中にまん延しても、がんを発症する人は例年と変わらないはずだ。
コロナの感染対策でがん検診などが一時中断されたほか、感染を恐れ検診や医療機関の受診控えが起きた影響だろう。
実際、検診の受診者は最初の緊急事態宣言が出た20年4~5月で、ほぼゼロに近い状態まで落ち込んだ。
その後、徐々に回復したが、20年は大幅に検診の受診者が減ったとみられる。
がん研究センターの集計でも全数把握できていない。全国では20年だけで数万人規模のがんが見逃されている恐れがある。21年も受診者は例年より2割弱減っているとみられ、未発見の患者は多いだろう。
早期のがんは自覚症状が無い
がんは体の中で発生した早期では、自覚症状がない場合がほとんどだ。
診断された患者ではおおむね早期の患者が減少していた。
今後、自覚症状が出て進行した状態で見つかる患者が増えるのではないかと心配している。早期発見・早期治療ができなければ、結果として治療成績は下がってしまう。
検診は予約制が広がり、施設内の感染対策も強化するなど「3密」にならない対策をしている。コロナを恐れて検診を受けず、発見が遅れてがんで亡くなることは避けてほしい。
死因コロナは2年で2万人、がんは年間38万人
日本では新型コロナの感染が確認されたのは約2年間で500万人超で、このうち亡くなった人は2万人余り。
一方で、新たにがんと診断される人は年間で約100万人で、亡くなる人は年間約38万人だ。
新型コロナは感染力が強く、社会経済的な影響が甚大なことは世界中が経験している。
日本では徹底した感染対策で新型コロナの感染者は抑えられているが、病気の影響という観点からすると、がんの方がインパクトは大きいのではないか。がん検診は不要不急ではない。
もともと日本の検診受診率は低い
もともと日本の検診受診率は低かった。
06年にがん対策基本法が成立し、徐々に上がったが、欧米に比べると低いままだ。
コロナ禍前に戻すのではなく、上昇させる必要がある。そのためにはこれまで効果が十分でなかった受診向上の対策を抜本的に見直すべきだ。
例えば、検診でがんが見つかった人は治療にかかる自己負担の医療費を現役世代では3割から1割軽減するなどすれば、がん検診を受ける人は増えるのではないか。
日本は病気になったら公的保険で低額で治療を受けられる。受診率が低いのは国民皆保険制度に甘えているのではないかと思うほどだ。
医療の進歩、がん5年生存率は70%超え
医療の進歩で治らなかったがんも治るようになってきた。
がんの5年生存率も近く70%を超えるだろう。
一方、超高額の治療薬も出てきた。進行した状態で見つかれば、患者の精神的、肉体的負担に加え、患者本人だけでなく、国全体の経済的負担も大きくなり、国民皆保険の財政基盤を揺るがす。
がん対策は4つ
がん対策は①予防②早期発見③治療④緩和ケア――が4本柱だ。
患者にとっても国全体にとっても特に予防と早期発見に力を入れるのが合理的だ。コロナ禍でも一人ひとりが自分の健康に注意を払ってほしい。
データ分析、海外より遅く
海外では全国民を対象としたがん登録のデータに他のデータを統合し、平時のがん対策だけでなく、新型コロナ禍の影響も迅速に分析している。
オランダがん総合研究所が「30年ぶりにがんの診断件数が4千件減少した」とする2020年の年次報告書を公表したのは年明け1カ月後。
部位別に過去3年間と比較し、臨床医や政府、国民に必要な対応などを提案している。
日本では国立がん研究センターが20年の影響を公表したのは21年11月。
コロナ禍を受けて例年より前倒ししたものの、オランダより10カ月遅い。さらに全数把握できていない。
日本では16年にがん登録推進法が成立し、ようやく全数を把握する「全国がん登録」が始まった。ただ他のデータとの統合などは個人情報の保護を懸念する余り、欧米より10年以上遅れてしまっている。
遅れを取り戻すため同法の成立以前に遡ったデータ活用も必要だ。
所見
コロナ禍の人流抑制は、検診も減らした。
3割減ったがん検診により、未発見のがん患者が4万5千人いる推計。
早期は自覚症状が無いから、このままだと進行したがん患者が一気に増える。
死者が増え、社会保障費もかさむ。
コロナを『ただの風邪』と整理しなければ、死人が増えるのではないか。