欧州連合(EU)は7日、域内の上場企業に、一定比率の女性を取締役に登用するよう事実上義務づける法案で大筋合意した。
社外取40%or全ての取締役で33%以上
社外取締役で40%以上か、すべての取締役で33%以上を少数派の性別にする必要がある。
女性の活躍を後押しして、経済や社会の活性化を狙う。
欧州議会と、加盟国でつくる理事会が合意した。議会と理事会がそれぞれ承認したうえで法案が成立する。
2026年までに基準を満たす必要
企業は2026年半ばまでに基準を満たす必要がある。理事会の発表文によると、21年10月時点で女性取締役の割合は30.6%だった。
合意を受けて、フォンデアライエン欧州委員長は「多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するものだ」と歓迎する声明を発表した。
能力が同等以上であれば、女性を優先
能力が同等の候補者が2人以上いれば、基準を達成していない企業は、少数派の性別の候補者を優先しなければならない。
取締役になれなかった候補者が求めれば、企業はその選定基準を開示する必要がある。
基準を達成できなかった企業はその理由と対策を公表しなければならない。報告が十分でない場合は罰則の対象となる。罰則は加盟国が個別に設ける。
2012年には協議が進まなかった
欧州委はこの法案を12年に提案したが、一部の加盟国が慎重姿勢を示し、協議は進んでいなかった。22年1~6月のEU議長国であるフランスが、政権交代したドイツを巻き込む形で議論を後押しした。
EU内でする企業が対象
EUのルールの対象は域内の取引所に上場する企業だ。
だが女性の活用は世界的な課題で、日本など他の国々の政策にも影響する可能性がある。
所見
役員の3人に1人は女性でないといけない。
この比率は日本では程遠い。
世界で女性活躍社会の旋風が吹けば、各種制度や考え方がガラッと変わるだろう。
女性は大チャンス!