欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、7月1日に量的緩和政策を終了すると決めた。同月中には0.25%の利上げに踏み切る方針も声明文に明記した。
消費者物価の伸び率は8%
ロシアのウクライナ侵攻による資源高などでユーロ圏の消費者物価の伸び率は8%を超えており、インフレ抑制へ金融政策の正常化を急ぐ。
日本時間の9日夜9時半からラガルド総裁が記者会見を開き、決定内容などを説明する。
アメリカ、イギリスは既に利上げ
米連邦準備理事会(FRB)や英イングランド銀行はすでに利上げを進めており、世界の主要中銀が金融政策の正常化で足並みをそろえることになる。
ラガルド総裁は5月下旬に公表したブログで「7~9月期の非常に早い時期」に量的緩和政策を終了できるとの見方を示していた。
具体的な利上げの時期は「7月に可能」と表明している。
マイナス0.5%を9月末までに0%へ
ECBの主要政策金利は0%で、銀行が中銀に資金を預ける際の金利(中銀預金金利)はマイナス0.5%と据え置いた。
ラガルド氏は9月末までにこれを0%以上に引き上げ、マイナス金利政策を終了することを示唆している。
9日には新しい経済・物価見通しも公表する。資源高やユーロ安が進んでいるため、2022年の消費者物価の伸び率を従来の5.1%から上方修正する見通しだ。
一方、急激なインフレで企業収益や家計所得が圧迫されることから、経済成長率は下方修正する可能性がある。
『量的引き締め』はいつ着手するか
ECBが目指す物価2%目標を中期的に上回る可能性が高まっている。
FRBはすでに保有資産を縮小する「量的引き締め」を進めており、ECBがいつ着手するかも焦点だ。
イタリアなど南欧各国の長期金利が上昇しており、ECBはFRBよりも慎重に判断するとの見方がある。
所見
アメリカ、イギリス、ECBが利上げとなり足並みが揃った。日本は真逆の指値オペを毎日実施。
円安が進み、インフレも進むだろう。
給料が上がらない庶民の生活を政府がどう補助するか。策は考えているのか。