米国はいつ利下げを開始するか。
その予測が交錯するだけで、金利と為替が大きく変動する。
今、相場を動かしているのは明らかに投機筋。
米長期金利が1ヶ月ぶりに3%台
米国の長期金利が上昇(債券価格は下落)している。
アジア時間22日に長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時3%台と、約1カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。
米国のインフレ圧力は根強く、米連邦準備理事会(FRB)が2023年に利下げに転じるとの見方が後退し米国債が売られた。
米リッチモンド連銀のバーキン総裁が19日の講演で「FRBはインフレ率を目標の2%に戻すため、あらゆる手段を講じる」と述べたと伝わった。
米長期金利は8月上旬、FRBが23年に利下げするとの見方から2.5%台に下がる場面があったが、FRB高官が相次いで金融引き締めに積極的な発言をしており再び上昇基調にある。
米国の7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇。
前月比では横ばいとなったものの「高水準には変わりはない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の井上健太氏)。
8月25日から『ジャクソンホール』
市場ではパウエルFRB議長が8月25日からの経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で利下げ期待をけん制するのではないかとの警戒感もある。
22日の東京外国為替市場でユーロは対ドルで1ユーロ=1ドルの「等価(パリティ)」を約1カ月ぶりに下回る場面があった。
米金利が上昇し欧州との金利差が拡大するとの観測からユーロ売り・ドル買いが出た。