米ツイッターは10日、サービス改変に伴う混乱を受けて一時停止していたサブスクリプション(継続課金)型サービス「ブルー」の登録を12日に再開すると発表した。
従来は月額8ドル(約1090円)だったが、スマートフォン「iPhone」のアプリ経由で加入する場合には米アップルに支払う手数料分を上乗せして月額11ドルとする。
ブルーはツイッターが2021年に米国やオーストラリアなどで始めた有料サービスで、投稿後に誤字や脱字を直せる「編集ボタン」などの機能が利用できる。
同社を買収した米起業家のイーロン・マスク氏は22年11月上旬にアカウントが本人のものであることを証明する「認証済みバッジ」をブルーの特典に加え、料金をそれまでの1.6倍の月額8ドルに引き上げていた。
これまでツイッターが審査を経て付与していた認証バッジが月8ドルを払えば誰でも入手できるようになったことで、著名人になりすます偽アカウントが多発した。
混乱を受けてツイッターはブルーの登録を数日で一時停止し、本人確認の手続きを見直す方針を示していた。
ツイッターは登録再開後のブルーについて、ツイッターのウェブサイト経由なら月額8ドル、アップルの基本ソフト(OS)「iOS」向けアプリ経由なら月額11ドルで申し込みを受け付ける。
当初は米グーグルのスマホ向けOS「アンドロイド」向けアプリには対応しないとみられる。
マスク氏はなりすましを防ぐため、認証に際しては電話番号などを使い人手で本人確認すると説明している。
ブルーの加入者がプロフィル写真などを変更した場合には、再審査が終わるまで一時的にアカウント名の右側の青いチェックマークが表示されなくなるという。
ツイッターは開発中の新機能などを一般客向けのサービス上で積極的に試し、利用者の声を反映しながら改良を重ねる方針を示している。
矢継ぎ早にサービスに手を加えることでSNS(交流サイト)の利用を活性化するとともに収益を改善する狙いだが、性急な意思決定は混乱を招くリスクもはらむ。
マスク氏は休眠状態にある15億のアカウントを近く削除する方針を表明した。
長年ログインのないアカウントを廃止して使われていたIDを再び登録可能にする構えだが、亡くなった人のアカウントが消されてしまうなどの懸念が出ている。
英歌手のエルトン・ジョン氏は9日、「誤情報が野放しにされるようになった」などとして、ツイッターの利用をやめると同社のSNS上で表明した。
マスク氏は「戻ってきてほしい。特に気になる誤情報はあるか」と返信し、つなぎ留めに努める姿勢を示している。