ひとまずアメリカのデフォルト回避、株式市場も好感
アメリカ政府の手元資金が10/18にも枯渇し、アメリカ国債がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクは一旦は回避される見通しとなった。株式市場も安心感からNYダウは前日比+337、95ドルの34754.95ドルと続伸した。野党・共和党の提案に基づき、与党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は10/7「12月初まで債務上限を延長することで合意した」と表明した。同日中に上院で採択をめざす。問題を2ヶ月先送りできるものの、本格的な債務上限の引き上げに向けた民主党内の調整が引き続き課題となる。
共和党の上院トップ、マコネル院内総務が10/6、債務上限の一時延長案を提示した。12月までの支出を賄える範囲で債務上限を暫定的に延長し、その間に民主党単独で実現をめざす「3.5兆ドル法案」の手続きを修正して債務上限を本格的に引き上げる措置を講ずるべきだと主張した。
民主党が目指していた上限の凍結ではなく、民主党は12月までの延長分と、その後の本格的な措置で2回、債務上限を引き上げる必要がある。民主党内では選挙で受けが悪い債務上限の「引き上げ」を嫌がる雰囲気もある。
共和党は債務上限問題への協力を拒み続けてきた。10年で合計3.5兆ドルの巨額の財政資金を子育て支援などに使う歳出・歳入法案について、民主党が特別な手続きを使って単独で押し切ろうとしているためだ。
民主党は苦しい立場が続く。党内は3.5兆ドル法案を推す左派と、財政膨張を嫌って規模縮小を求める中道派が対立。党内調整が難しい状況。
所見
アメリカの債務上限問題は毎年フォーカスされていると思う。その度に、結局は延長などの措置でデフォルトを回避となる。まさにお約束の行事。アメリカ国債がデフォルトしたらどうなるか、金融市場では貨幣価値が無くなり、金などの現物が急騰するのか。とりあえず、想像できない状況になる。