9/7エルサルバドルで暗号資産のビットコインが法定通貨となった。初日からアプリやウォレット、ATMで不備が発生した。
政府公式のアプリ「ウォレットアCHIVO」はアップルやgoogleのアプリストアでもダウンロード可能なはずであったが、ファーウェイのストアでしかダウンロードできなかった。
一部でATMで入金後、アプリで残高確認できない事象が起きたりした。ブケレ大統領は「だんだん良くなる」と弁解した。
ビットコインは、一部の投資家や企業の言動で価格が大きく動く価格操作や、盗難の懸念、マネーロンダリングの問題より、各国が規制強化に乗り出している。中国はマイニング業者を国内から締め出した。価格変動も大きく、財政が一段と悪化しかねない。エルサルバドルはGDP比88%と周辺国に比べ高い、政府総債務残高がある。
世界銀行は「エルサルバドルからビットコインの支援要請があったが、環境面、透明性に欠陥があり支援できない」と声明を出した。
エルサルバドルでも7日「ビットコインは受け入れられない」「ビットコインの価格が下がったら貧しい人に影響が大きい」と野党支持者や労働組合員ら200人で抗議活動を繰り広げた。
ブケレ大統領は6月にビットコインを法定通貨にする方針を出した。国民の約7割が銀行口座を保有していない為、金融システムへのアクセスを確保するのが、狙いの一つだった。外国からの送金額はGDPの2割に相当し、手数料は年間4億ドルに達する。ビットコインであれば、この水準を引き下げることができ、さらなる資金流入を促せる。
同国は2001年から法定通貨をドルに採用しており、本件後はビットコインとドルの併用となる。
所見
送金手数料を低くでき、銀行口座を持っていない人も使えると言う点でビットコインはメリットがある。一方、環境やマネーロンダリング、システム整備、世界での規制強化の流れもあり、デメリットが大き過ぎる。
人口650万人と小規模な国であるゆえ、スタートできたが、この運営は難しそう。2、3年で運営が整えば、同規模の国は追随するかもしれないが。