太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
日本経済は円安になれば『得』は、もう終わっているのか🤔
「円安は日本経済にプラス」といわれてきた構図が変わりつつある。
スマートフォンや家電、衣料品など身の回りの製品の輸入依存度が高まり、円安による物価高が家計を圧迫しやすくなった。
半面、製造業の海外移転で円安が輸出を押し上げる力は弱まった。
貿易で稼いで国の富を蓄積する経済の循環が成り立ちにくくなり、円の実力を映す理論値も切り下がっている。
円の理論値が円安へ向かう
日本経済新聞社と日本経済研究センターが算出する円の理論値「日経均衡為替レート」が実際の円相場を追いかけるように円安方向に向かっている。
最新データの2021年7~9月期は1ドル=105円40銭程度と、4~6月期の101円ちょうど近辺から4円ほど円安になった。
理論値が円安になる要因
理論値が円安に振れた要因を分析すると、輸出価格と輸入価格を比べて貿易での稼ぎやすさを示す交易条件の悪化が影響している。
21年7~9月の交易条件の悪化幅は遡れる05年以降で最大だった。
ほぼすべてを輸入に依存する原油など資源価格の上昇で、21年7~9月の企業間取引の輸入物価指数は前年比で3割上昇。
同期間の輸出物価指数の上昇率(1割)を大きく上回った。
日本の交易条件は08年の金融危機前など原油高の局面で悪化してきた。
「円高恐怖症」と呼ばれていた
貿易で稼いできた日本では輸出採算の悪化につながるとして円高が敬遠されてきた。
円高局面では条件反射的に日本株相場も下落して「円高恐怖症」とも呼ばれてきた。
11年には東日本大震災などで市場が動揺し1ドル=75円台の最高値をつけた。
企業は円高や電力不足など「6重苦」を理由に海外移転を加速。産業空洞化が叫ばれ、政府も日銀に円高対応を求めた。
家計には円安がデメリット
だがいまは円安を通じた輸入物価高が家計の重荷になる円安デメリットが実感されやすくなっている。
例えばデフレの象徴とされた衣料品。
近年は実態が異なる。
消費者物価指数(CPI)の「洋服」は過去10年間で9%上昇した。
婦人用は13%で、とくにワンピースは17%値上がりした。
衣料品は輸入割合が98%で円安の影響を受けやすい。
輸入比率が6割の「エアコン」も21%値上がりした。全品目の物価上昇率の4倍近い。
幅広い生活品目で輸入依存が進む
幅広い生活品目で輸入依存が進んでいる。
国内消費に占める輸入品の比率をみると、家電・家具などの耐久消費財は34%となり、10年ほど前の1.7倍に高まった。
食品・衣料品などの消費財も同1.4倍の25%に上昇した。
賃金が上がらない日本では円安は打撃
国内経済は低成長で賃金が上がらない。
その中での身近な品目の上昇は家計の重圧となる。
一端が家計の消費に占める食費の割合を示すエンゲル係数の上昇だ。
21年1~11月は25%超と、1980年代半ば以来の水準に高まった。
アップルの「iPhone13」を手に入れるのに必要な労働時間からも日本の買う力の衰えがわかる。
英マネースーパーマーケットが各国の月給をもとに計算したところ日本では72時間働く必要があるが、端末価格が日本より高いはずのオーストラリアやデンマークは60時間程度ですむ。
日銀は円安は「プラス効果」のスタンス崩さず
日銀は円安について「基本的にプラスの効果が大きい」(黒田東彦総裁)との立場を崩していない。
ただ、円安が輸出を押し上げる力は失われつつある。財務省によると過去10年間の輸出数量指数は円安局面でも伸び悩んでいる。
日銀自身も「円安が輸出数量を押し上げる効果が弱まってきている」との分析を示す。
円高を避けつつ賃金も抑制して輸出産業を維持しようとする政策には限界もみえてきた。
規制緩和や働き手の技能向上などで付加価値が高い商品やサービスを生み出し、為替変動に左右されにくい産業を育てなければ、日本の「貧困化」が加速しかねない。
所見
食品・家電・衣料品などの輸入依存度が年々あがっている。資源はそもそも、ほとんどが輸入。
円安でも企業の輸出が増えていなければ、円安は日本経済にとって『損』になっている。
経済の低成長と人口減少、イノベーションが起きにくい社会構造もあり、国力は下がっていく。
ハイパーインフレが起きる新興国のように資産の半分くらいは外貨で持っていた方が良い時代になるのか。