財務省が9/1に発表した法人企業統計調査による4〜6月期の借入総額は477兆円となった。(21年ぶり高水準)コロナの影響で飲食業、宿泊業などが借入を増やしている。
一方、同調査の20年度通期の企業全体の利益余剰金は484兆円で過去最高を更新した。全体としては企業活動は持ち直し基調にあり、コロナ影響がある業種、無い業種で大きく差が出ている。
同調査4〜6月期では、以下のように全業種と飲食・宿泊業の差が出ている。
- 売上高は314兆円(10.4%増)…飲食サービス業はコロナ前比で25%減。宿泊業はコロナ前比70%減。
- 経常利益は24兆円(90%増)…飲食サービス業は570億円の赤字。宿泊業は2000億円の赤字。
- 設備投資は10兆円(5.3%増)
- 長短借入は477兆円(4.9%増、コロナ前比15.2%増) …飲食サービス業はコロナ前比1.8倍、内資本金一千万円〜二千万円の中小企業は2.6倍。
宿泊業の自己資本比率はこの1年間で25.4%から12.8%に低下した。
目次
所見
人流が抑制され、人流で商売をしていた飲食業・宿泊業などは相当苦しい状況が続いている。企業全体では持ち直しているが、銀行の立場であると飲食業・宿泊業にも多額の融資をしている。ワクチンが普及すれば、飲食も回復すると楽観視していたが、デルタ株やミュー株にコロナが変異し、まだ数年はコロナ終息が見えない。
厳しいが、飲食・宿泊業は人流や密を作らなくとも収益を上げられるビジネスに変えていかないと、倒産が相次ぐだろう。