可能性は低いが、5%も賃金が上がったら日本もアメリカのようなインフレになるのではないか。
今の日本のインフレは資源高騰・円安によるコストプッシュインフレ、5%の賃金上昇は流石に消費に流れるだろう。
賃上げ5%を求める方針、27年ぶり水準
連合は2023年の春季労使交渉で、基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)について3%程度、定期昇給(定昇)を合わせて5%程度の賃上げを求める方針だ。
連合は16~22年まで、2%の定昇を前提に4%程度の賃上げ目標を掲げてきた。
物価高などを踏まえて引き上げる。
20日に予定する中央執行委員会で確認する。
11月以降には、詳細な取り組み内容なども記載する「闘争方針」もつくる。
数値目標を設けなかった時期を除くと、1995年に5~6%の賃上げを求めて以来の高い水準となる。
足元は消費者物価指数の上昇率が前年同月比で2%を超え、特に生鮮食品やエネルギー関連など身近なものやサービスの物価が上がっている。
10月にも値上げが相次ぎ、家計の厳しさが増している。
連合は物価高の影響に加え、これまでも十分賃上げができていない実態を踏まえ、より高い目標が必要だと判断した。
政府も賃上げを重点に
政府も物価高を踏まえて賃上げを重点に置く方針を掲げている。
岸田文雄首相は4日の新しい資本主義実現会議で、物価上昇をカバーする賃上げを目標にした議論を求めた。
月末までにまとめる総合経済対策でも、リスキリング(学び直し)など賃上げを促す仕組みを盛り込む方針だ。
経団連も各社に賃上げを呼び掛ける意欲を示している。
日本商工会議所は人手不足などを踏まえて「賃上げに取り組まざるを得ない状況」との認識を示している。
政労使で賃上げの機運は高まるが、連合が掲げる大幅な賃上げが実現するかは不透明だ。
企業も急激な円安やエネルギー高などで厳しい経営環境にある。
連合がまとめた22年の春季労使交渉最終集計では、ベアと定昇を合わせた平均賃上げ率は2.07%にとどまった。