太郎
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トルコリラ、急落に対応し苦肉の策か🤔
トルコのエルドアン大統領は20日、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する新たな預金保護策の実施を表明した。
リラの下落とインフレに歯止めをかけるのが目的で、リラは対ドルで一転急騰したが、財政負担を増す窮余の奇策の持続性は不透明だ。
エルドアン大統領の呼びかけ
「今後は為替相場を心配してリラ建ての預金を外貨に替える必要はなくなる」。エルドアン氏は20日夜の演説で国民に対し、自国通貨建ての預金を呼びかけた。
為替差損分を政府が補填
21日の財務省声明によると、リラ建ての定期預金が満期を迎えた際、預入時に設定された利息と元本が為替変動のために外貨換算でマイナスになれば補填される。対象は個人の定期預金(3カ月もの~12カ月もの)。
トルコリラ50%以上の急反発
演説の直前に一時前週末比10%超安い1ドル=18リラ台の史上最安値を付けたリラはその後、13リラ台に急騰した。
市場関係者によると、国営銀行がリラ買いに参加してリラ高を演出したもようだが、21日もリラ買いの動きは続き、一時11リラ台を付けた。20日の最安値からの上昇幅は50%を超えた。
急激な反発で、それまで12月だけで2割下げるなど極端だったリラ安相場のムードは変わる可能性がある。
高金利を嫌い、連続利下げ
高金利を嫌うエルドアン氏の意向を受けた中央銀行は9月以降、主要政策金利を年19%から14%に引き下げた。
20%を超えるインフレ率を考慮した実質金利は大きくマイナスになりリラ安を引き起こしたが、今回の措置が実施されれば、預金者にとっては実質的な金利引き上げになる。
政府の財政が持つのか
ただ「隠れ金利」を負担するのは借り手ではなく政府だ。実効性や持続性には早くも疑問の声が上がる。
元中銀エコノミスト、ウール・ギュルセス氏は、預金者に為替の差額を支払うための国庫負担の増大を懸念する。一連の金融政策の混乱とインフレで、トルコ国債の金利は20%台に上昇しており、借金の負担は重い。リラ預金への保証策は「破滅的な状況を先送りする時間稼ぎにすぎない」と同氏は指摘する。
過去にも同様の経緯
実際、トルコは1970年代にも同様の措置で在外トルコ人の資金を集めたが、インフレの悪化と国庫負担の増大で失敗した経緯がある。
2000年代、イランのアハマディネジャド政権(当時)もインフレ下で利下げを推し進め、結果的に経済の混乱を招いた。
2023年大統領選挙を控える
23年6月までに再選をかけた大統領選と議会選を実施しなければならないエルドアン氏にとっては「時間稼ぎ」的な措置でも政治的メリットはある。
公式統計で21%、民間の独自統計では50%台にもなる高インフレで国民の不満は高まっており、直近の世論調査では与党支持率が主要野党の合計を下回る水準まで低下している。
危機感を強めた政府は低金利で景気を刺激する一方、副作用であるインフレに対しては既に最低賃金の大幅増や減税など、財政出動で国民生活の負担を軽減する方針を示していた。
コンサルティング会社テネオのウォルファンゴ・ピッコリ共同代表は今回の預金保護策を納税者がリスクを負う「為替連動の大幅利上げ」と評したうえで、リラの下落が続けば紙幣の増刷を迫られ、さらに通貨価値を損ねかねないと指摘した。
所見
損失補填は実質の利上げとなるが、政府が負担することになる。
まわりくどい方法ではなく、利上げをすれば解決するように思えるが、
エルドアン大統領の「金利は悪」という方針は変わらない。
2023年6月まで、苦肉の策で凌げるか。様子を見て、リラへの投資チャンスがあればチャレンジしたい。
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