東京カンテイ(東京・品川)が22日まとめた11月の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンション平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は、前月に比べ63万円(0.6%)高い1億13万円だった。14カ月連続で上昇し、2002年の集計開始後で初めて1億円の大台に乗った。
高橋雅之主任研究員は「投資マネーの流入でバブル期以来の水準になった」と指摘する。都心部では新築の高額物件に引っ張られるといった形で中古マンションも値上がりが目立ち、実際に住む需要だけでなく投資目的の資金も集めた。
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)全体では2万円安い4807万円と、18カ月続いた値上がりが一服した。都内の都心6区外での値下がりが響いた格好で、高橋氏は「実需向けには高額すぎる一方で、投資目的には人気が薄いエリアだ」という。周辺3県は実需に支えられて価格上昇が続く。
日銀は20日、長期金利の許容上限を従来の0.25%程度から0.5%程度へ引き上げることを決めた。固定型住宅ローン金利の上昇を通じて需要は全般に落ち込む可能性がある。東京カンテイの高橋氏は「資産形成目的の投資家はキャッシュで買うことが多く、都心部の人気物件は値下がりしないのでは」とみる。
近畿圏は21万円(0.7%)高い2888万円、中部圏は30万円(1.3%)高い2281万円だった。