投資ブームが到来しつつある。
株価調整局面でも流入が堅調ということは金融リテラシーも上がっている証拠。
日本の現預金1,000兆円が動くと、投資大国になれる。
2022上期、投信4兆円が純流入
投資信託協会が13日発表した投資信託概況によると、2022年上期(1~6月)の株式や債券に投資する投資信託の純資金流入額が4兆円を超えた。
昨年下期(5兆1800億円)より下がったものの、集計可能な02年以降、半期ベースで過去8番目の水準にとどまり、大崩れしなかった。
ロシアによるウクライナ侵攻や各国中央銀行の利上げにより市場に不透明感が広がっていたが、堅調な取引が続いている。
投信協会が発表した公募株式投信を集計した。公募株式投信は上場投資信託(ETF)を除き、上場不動産投資信託(REIT)や債券などを含む。
純資金流入額は設定額から解約・償還額を差し引いた金額を指す。
22年上期は4兆651億円で前年同期比2%増だった。過去最大は07年上期の8兆6217億円だった。
ウクライナ、米利上げも投資家は冷静
2月にウクライナ情勢が緊迫化し、4月は米国の金利上昇などで相場が荒れたが、
「投資家は比較的冷静だった。時間、銘柄の分散をして長期で投資を継続している」(投信協会の松谷博司会長)。
けん引役は外国株投信
けん引しているのは外国株投信への資金流入だ。
流入額は前年同期比40%増の2兆734億円。米国など海外株の指数に連動する投資成果をめざすインデックス型への資金流入が堅調だった。
足元では三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などが流入上位に並ぶ。
中長期的な積み立てで資産形成をめざす個人投資家は相場が不安定でも継続して資金を投じていることがみてとれる。
株価調整により残高は減少
ただ、アライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信Cコース毎月決算型」など、米国の成長株に投資するファンドへの資金流入は減少した。
米国の情報通信関連企業などここ数年で大きく株価を伸ばしてきた銘柄への成長期待が鈍り、米国がインフレ抑制のために急激に金融引き締めに動いたため株価の調整が進んでいる。
ストックベースを見ると、6月末の公募株式投信の純資産残高は82兆7319億円で、3カ月連続で減少した。
資産残高全体も株式市場の下落による運用減が原因で2カ月ぶりに減少に転じた。1兆9237億円減少し、156兆6518億円だった。