第3子以降の手当増額を検討
政府は少子化対策の予算を倍増する時期について2030年代前半をめざす調整に入った。
まず24年度から3年間を集中取り組み期間として年3兆円規模の事業費を想定する。
第3子以降の児童手当の増額を検討する。
岸田文雄首相は「30年代に入るまでの6〜7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだ」と訴えてきた。
出生数の落ち込み加速や婚姻件数の減少を踏まえ30年を節目として政策を極力早く実行する。
24〜26年度は「こども・子育て支援加速化プラン」と銘打つ。
必要額は国費、地方や事業主の負担を合わせた事業費ベースで年3兆円ほどを見込む。
23年度は児童手当などを所管するこども家庭庁が一般・特別会計を合わせて4兆8100億円の予算を計上した。
厚生労働省が管轄する育児休業給付費は7600億円程度に上る。現時点では関係省庁の子ども・子育て経費は8.9兆円となっている。
3年間の「加速化プラン」の費用確保のために社会保障分野の歳出削減や医療保険料などの上乗せを検討する。
その後の予算倍増に向けた財源は別途議論が必要になる。
規模が大きいのは児童手当の増額だ。現在は所得制限の対象外の場合、0〜2歳が一律で月1万5000円。
3歳から小学生までは第1〜2子が1万円、第3子以降は1万5000円に加算している。中学生は一律1万円に定める。
所得制限の撤廃や現在は中学生までの支給を高校卒業まで延長する方向を決めている。
多子世帯への支援としては3歳から小学生までの第3子以降への支給を3万円に倍増する案がある。
具体的な支給条件や扶養控除との兼ね合いなどを詰める。
政府は与党と調整し、6月にこども未来戦略方針を決める。
経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。