政府は児童手当の拡充に向けた検討に入る。
有識者による全世代型社会保障構築会議が近く示す報告書案で、子育て世帯への支援充実の必要性を提起し、具体策として児童手当の拡充を挙げる。
恒久財源の確保も求める。
出産・育児への経済的な不安を和らげ、少子化対策につなげる。
児童手当は現在、中学生以下の子どもに1人あたり原則1万~1万5千円を支給している。
一定以上の所得がある世帯は「特例給付」として1人あたり一律5千円に減額している。
10月からは世帯主の年収が1200万円以上の場合などは支給をやめた。
与党内では公明党が18歳までの支給対象拡大や、現在1兆円を超す予算規模の倍増を目指す方針を示している。
自民党の一部には第2子で3万円、第3子に6万円を求める意見がある。
政府は来年夏にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で子ども予算を倍増する道筋を示す方向だ。
財源を社会全体で広く負担する仕組みの検討が欠かせない。
子育て支援などの公的支出で日本は欧州に比べて見劣りしている。
社会保障給付に施設整備費などを加えた家族向けの社会支出を国内総生産(GDP)比でみると、日本の2%に対し、フランスや英国、スウェーデンなどは2%台後半から3%台半ばに達する。