自民党税制調査会は14日の幹部会合で防衛費増額の財源を巡る素案を示した。
法人税、東日本大震災の復興特別所得税、たばこ税の3つの税目を軸とする。
政府は復興所得税に関し期限を2037年から14年間延長する案をまとめた。
税調の素案によると、法人税は本来の税率を変えず特例措置を上乗せする「付加税」方式をとる。
宮沢洋一税調会長は会合後、記者団に「所得1000万円の控除をする。中小企業の9割は(増税の)対象とならない」と述べた。
増税は24年度以降に段階的に開始する。
週内にまとめる与党税制改正大綱への反映に向けて具体的な税率など詳細を詰める。
宮沢氏は「役員から賛成を得た」と話した。
復興所得税は37年まで25年間の期限を延長しつつ、歳入の一部を防衛財源に振り向ける。
宮沢氏は振り向け分について「当分の間、防衛費のための特別な目的税にする」と説明した。
復興所得税は所得税額に2.1%をかけ、22年度に4624億円の税収を見込む。
税率は据え置き個人の負担感が増えないようにする。
たばこ税の活用では宮沢氏は「いろんな配慮をした上で段階的に引き上げていく」と語った。
27年度単年の防衛予算は現状から4兆円ほど増える。
このうち1兆円強を税制で手当てする。法人税で7000億~8000億円、復興所得税とたばこ税でおよそ2000億円ずつを確保する案がある。