ウクライナ情勢もあり、資材が高騰。ハウスメーカーは値上げを余儀なくされた。
住宅価格が上がり、個人の消費が冷え込む可能性も高い。
大和ハウス、戸建て住宅を値上げ
大和ハウス工業が10月にも戸建て住宅を値上げする。
異例となる2年連続の値上げで、引き上げ幅は販売価格の3%以内になる見込み。
鉄骨や木材などの価格上昇に対応する。
6月には積水ハウスも値上げしている。住宅価格は個人消費への影響が大きい。
消費者が住宅ローンの返済に回せる可処分所得は減っており、インフレの波が消費を冷やしかねない。
前回130万円、今回も同レベルの値上げ
2021年度は主力住宅の平均販売価格の約3%にあたる130万円程度を値上げした。
消費税を除いた平均価格は1戸4300万円前後になった。
詳細は今後詰めるが、今回の値上げ幅も130万円以内とするもようだ。
木造や鉄骨など大部分の住宅が対象となる。
住宅の建設コストは木材や鉄の価格高騰で21年ごろからかさんでいる。
22年に入ってからもロシアによるウクライナ侵攻でロシア産などの木材供給が停滞。
原材料の価格はさらに上昇している。
国土交通省によると、住宅の建設費は15年度を100とすると、21年度は114.4まで上昇した。20年度比では7.1ポイント上がっている。
6月には積水ハウスも主力の鉄骨住宅を値上げした。23年1月にかけて段階的に価格を上げる。
値上げ幅は90万円程度を見込む。21年6月ごろから木造住宅なども値上げしている。
個人の可処分所得は減少している
住宅ローンの返済に回す消費者の可処分所得は減少している。
総務省によると、2人以上の勤労者世帯の可処分所得は21年に月49万2000円と、20年に比べて1%ほど減った。
食品など生活必需品に続いて購入価格の大きい住宅も相次ぎ値上げされる一方、家計の余裕は少なくなっており、節約志向が強まって個人消費が落ち込む可能性がある。