太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
米中が政治的背景もあり、「富岳」を超えるスパコンの公開を見送った。
「富岳」はいつ抜かれる、ではなく、もう抜かれているのか🤔
理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が11月に公表された計算速度を競うスパコンの性能ランキング「トップ500」で首位となった。
中国や米国が富岳を上回る性能の次世代機を投入するとの観測があっただけに、4期連続の世界一には想定外の面もある。
ゴードン・ベル賞は中国だった
11月、スパコン分野のノーベル賞ともいわれる2021年のゴードン・ベル賞が発表された。
量子コンピューターの手法をスパコンで模倣し、高速なシミュレーション(模擬計算)を実現した中国の研究チームの成果に贈られた。
この研究で使われたのが、16~17年の計算性能ランキングで首位だった中国のスパコン「神威太湖之光」の後継機だ。
「エクサ級」間近
その計算能力は富岳の1秒間に44・2京(京は1兆の1万倍)回を上回り、同100京回となる「エクサ級」とみられている。
研究成果は4月に論文として投稿されており、11月のランキングに登場すると思われていたが名前はなかった。
ランキングを主催する国際会議の発表資料には「中国のシステムがエクサ級に達したとの報告もあったが応募はなかった」とある。
アメリカも見送り
米国のスパコンも登場が見込まれていた。理論性能で同150京回の計算能力を目指すオークリッジ国立研究所の「フロンティア」は21年中の稼働を掲げるが、今回のランキングに名前はなかった。
米中が次世代機の公開を見送った理由
米中の次世代機の公開が見送られた理由としては、安定して稼働する水準まで開発が進んでいない可能性が指摘される。
筑波大学計算科学研究センター長の朴泰祐さんは「中国は米国からスパコンの部品の輸出禁止をされており、米国主導のランキングに参加しないといった政治的な理由も考えられる」と話す。
理研計算科学研究センター長の松岡聡さんは「理由は分からず推測でしかない。だが出てきた際には、いくつかのランキングで富岳を超えるのは間違いない」と強調する。
米中は巨額の投資を行う
米中を中心にスパコンの開発競争は激化している。米国は23年までに計5500億円以上をかけ、フロンティアを含む3台の投入を計画する。中国も神威太湖之光の後継機を含めた3台を開発しようと、巨額の予算を投じている。
国が開発する大型スパコンは従来、科学技術力の象徴としての意味合いが強く、安全保障や気候変動などの用途を中心に利用されていた。
最近では人工知能(AI)の進化やクラウドの普及によってデータを大量に処理する需要が高まり、産業向けにも活用の幅が広がっている。
テック企業が導入
米テック企業では大型スパコンの導入が進む。
今回のランキングにも6位に米エヌビディア、10位に米マイクロソフトのスパコンが入った。ランキングには不参加だが、米テスラは自動運転の電気自動車の開発にスパコンを利用。米グーグルも検索エンジンや機械翻訳といったサービスにスパコンを使っている。
日本は企業がスパコンを開発しない
一方、国内企業では大型スパコンを開発する動きは少ない。それだけに企業が富岳を利用しやすいようにして、産業競争力の向上に役立つことが求められる。
富岳は計算速度だけでなく使いやすさも追求した。AIの計算能力を競うランキング「HPL―AI」や産業用アプリを使う際の性能を測るランキング「HPCG」など3部門でも4連覇した。設計段階から使いやすさを重視し、創薬やエネルギー、材料など様々な産業用ソフトウエアを高速で動かせるようにした。
企業の利用は広がる。川崎重工業は鉄道トンネルでの騒音を解析している。車メーカー9社などで構成する自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)は車のエンジンを研究している。
富岳の後継機はいつか
富岳の後継機の計画はまだみえない。文部科学省は22年度から後継機への活用を想定した基幹部品やソフトなどの試験的な研究を始める。ただ開発計画を決めるのは23年ごろとみられ、稼働は早くて20年代後半になる見通しだ。
日本は米中に資金力で劣り、これまでのやり方では約10年に1度しか投入できない。官民が連携し、限られた資源を有効活用する計画をたてる必要がある。
所見
デジタル、グローバルの時代ではスパコンの能力値は国力を測るにも重要な要素。
富岳が計算速度で4連覇となったが、実質は米中に抜かれている。
研究開発費をもっとかけて、世界の最先端を走らなければ、日本の優位はどんどん失われる。