政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を大型連休明けの5月8日に「5類」に移行する方針を固めた。
変更後は感染者や濃厚接触者らの待機期間は撤廃され、医療は段階的に通常の体制に移る。
コロナ対応が4年目を迎える中で、社会経済の正常化に向けた大きな節目となる。
岸田文雄首相と加藤勝信厚生労働相、後藤茂之経済財政・再生相が26日に首相官邸で協議して確認した。
政府は27日に新型コロナ感染症対策本部を開き、正式に決定する。
感染症法は新型コロナを「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけている。
入院勧告や行動制限といった厳しい措置が可能で、結核など2類以上に相当する。
季節性インフルエンザと同じ5類になると、こうした措置をとる権限がなくなる。
医療は通常に近い体制になる。
診察を受けられる場所は現在、都道府県に指定されている発熱外来が中心だが、一般の病院などでも可能になる。
一方でコロナの感染力は季節性インフルエンザよりも高いことなどから、引き続き感染対策が必要になる見込みで、厚生労働省は支援を検討する。
診療報酬の上乗せや病床確保のための財政措置も段階的に縮小する。
現在、コロナの検査や入院の医療費は患者の自己負担分も公費で賄われている。
こうした措置は当面維持して負担が生じないようにしつつ、段階的に縮小していく方針だ。
今後は自己負担に移行する時期が焦点となる。
コロナワクチンは4月以降も当面は無料接種を続ける方向だ。
現在は予防接種法上の「特例臨時接種」に位置付け、3月末を期限として公費で負担している。
いつまで延長するかは今後のコロナの感染動向などをふまえて判断する。
マスクの着用ルールも変わる見通しだ。
感染症法の分類とは直結していないものの、屋内での着用を原則不要とする考え方を示すことを検討している。