コロナ陽性で自宅に隔離されていても『みなし入院』扱い。
それで給付金が支払われる状況となれば、保険会社は相当厳しいのではないか。全体の保険料が上がるかもしれない。
6月、前年比12倍の保険金支払い
新型コロナウイルスの感染者が相次ぐなか、生命保険会社による入院給付金の支払額が急増している。
生命保険協会によれば、今年6月の支払額は640億円と単月として過去最高を更新した。
契約者が保険会社に給付金を請求するのは感染から1~2カ月後とされる。
これから感染第7波の影響が顕在化してくると支払額は一段と膨らみそうだ。
入院給付金は各社が取り扱う医療保険に付く保障で、病気やけがの治療で入院した場合に受け取れる。
加盟42社の支払額を生保協がこのほど取りまとめた。
最新の6月分では支払額が640億円と1年前の12倍に増えた。3月(403億円)から急増し、4カ月続けて最高額を更新している。
大手の関係者は「年度初めに見込んでいた想定の支払額を上回って推移している」と話す。
『みなし入院』が92%
これまで累計の支払額は入院給付金で2893億円にのぼる。
このうち実際に入院しなくても給付金を受け取れる「みなし入院」と呼ばれる措置の支払額は92%弱を占める。
死亡保険金の支払額は累計で1455億円だった。
第7波の請求はこれから本格化するため、各社は人員を増やすなどの対応策を強化している。
住友生命保険は給付金の支払いにあたる人員を先月より40人以上多い190人へ増やす。
第一生命保険も状況をみながら人員の拡充を検討するとしている。