銀行員奮闘記
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「名ばかり」ESG投信乱立 波乱相場が問う選別基準⁉️

メガバンク
太郎

おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊

ほとんどの企業がESGへ取り組む中、ESG投信が成り立つのか🤔

ESG(環境・社会・企業統治)を冠してはいるが、環境対応などの実態が分かりにくい「名ばかり」ファンドが増えている。

大半の企業が何らかのESG対応をする中、どのような銘柄で構成してもESGファンドとして位置づけやすくなったためだ。

ただ、ファンドに投じた資金がどう社会問題の解決につながるのか、投資家は判断しにくい。

何のための投資かが問われる局面にきている。

ESG投資のパフォーマンスが悪い

ESG投資の成績が振るわない。

世界的な金融引き締め懸念で株価が急落した1月、世界株の中から有望銘柄を選別するアクティブのESGファンドで運用資産上位30本(2021年末時点)の成績を平均すると21年末と比べ8.7%下落した。

一般的なアクティブファンド30本の平均下落率(7.3%)よりも悪い。

2年前は下値抵抗力があった

2年前は逆だった。

新型コロナウイルスの感染拡大で相場が暴落した20年1月末~3月末、ESGのアクティブファンドは17.8%安と、一般的なファンド(18.7%安)よりも下げが小さかった。

当時、ESG投資は「市場急落時に下値抵抗力をみせた」(米アライアンス・バーンスタイン)と評価された。

ESG面で優れた企業は、収益性が高いうえ収益の変動も少ない「質の高い企業」とされた。

急落局面でもこれらの銘柄は資金の退避先になり、株価は相対的に下がりにくい。

こうした分析が相次ぎ、その後のESGブームのきっかけになった。

下値抵抗力を発揮できなくなった理由

では、なぜ今回は「下値抵抗力」を発揮しなかったのか。

運用会社が「ESGファンド」の線引きを緩くしたことが関係している。

「ESG統合」という手法がファンドの主流になりつつある。

企業業績だけでなくESGの要素を重視しながら銘柄を選ぶ。

いまや大半の企業はなんらかのESG対応をしているため、この手法ならESGに集中していなくても「ESGファンド」と名乗れてしまう。

ESGの要素があれば名乗れる『ESG』

世界的に環境などへの意識が強まる中、ファンドを立ち上げる際にESGの要素を加えておけば投資家から資金を集めやすくなるためだ。

また、ESGファンドも運用成績を求められるので、ESGだけの観点に縛られず銘柄を選ぶことができれば運用面でも都合がよい。

増えるESGファンド

米モーニングスターによると、世界のESGファンドは21年12月末時点で5932本。

21年の新規設定は1017本と20年と比べ14%増えている。

世界株のアクティブファンドの運用資産の上位には「スウェドバンク・ロバー・テクノロジー」や「ピクテ・ロボティクス」など、特定の業種に投資先を絞ったテーマ型とみられるファンドが並ぶ。

この2ファンドはハイテク系の銘柄が投資全体の8割、7割を占める。

一方、19年末の上位はテーマ型は少なく、幅広い銘柄からESGの取り組みが優れた企業を選別するタイプが多かった。

多くのESGファンドにアルファベットなどのハイテク銘柄が

米ゴールドマン・サックスが世界約3000本のESGファンドの保有銘柄を調べたところ、多くのESGファンドが米アルファベットや米マイクロソフトなどハイテク銘柄を保有していた。

19年末から比較可能な世界株のアクティブファンドの業種別ポートフォリオの割合を調べると、19年末から21年末にかけてハイテク系が6ポイント増えた一方、低金利下で利ざやを稼ぎにくい金融、インフレが業績に響きやすい生活必需品がそれぞれ2ポイント減っていた。

運用成績が上がりやすい分野に投資を集中している様子がうかがえる。

低金利でハイテク株が急騰も、金利上昇局面の足元は

世界的な低金利下で21年にはハイテク株の株価は急騰し、ファンドの資金も集まった。

だが、金融引き締め懸念が広がると割高さが嫌気され、これらの株には売りが膨らんだ。

今回、ESGファンドの運用成績がさえなかった要因だろう。

ESG統合が生んだ弊害

ESG統合によって企業のESGにより注目が集まったのは事実だ。

ただ「名ばかり」のファンドが乱立する状況を「ESG統合が生んだ弊害」とQUICK・ESG研究所の中塚一徳リサーチヘッドは指摘する。

「いまや何でもESGになってしまった。ESGファンドというだけでは、どんな運用なのかが全くわからない」(中塚氏)というのが実態だ。

ファンドへ投じた資金がESGに利用されているのか

本来、ESG投資は深刻化した気候変動や貧富の格差拡大などの課題解決に資金を回すために推進されてきた。

だが、このままではファンドに投じた資金がどう社会課題の解決につながるのか、投資家からは分からない。

ファンドが環境や社会課題の解決にどの程度寄与しているのか。

「運用会社はしっかり開示する必要がある」と野村総合研究所の三井千絵上級研究員は説く。

ファンドの主な資金の出し手は銘柄選別を運用側に一任する機関投資家や個人投資家だ。

情報開示が不十分なままでは、ESG意識を高める投資家が資金を引き揚げるリスクも出てくる。

運用会社の姿勢が問われている。

所見

ほとんどの企業がESGへ取り組む中、投資した資金が本当にESGへまわり、環境・社会問題に寄与しているのか不透明。

ファンドの目利きが、相当試されるテーマ別投信となった。

さらに、ESGはハイテク株に寄りやすく、金利上昇局面では下がりやすい状況。

推進が難しい分野となってしまった。

ABOUT ME
メガバンク太郎
とあるメガバンクで働く16年目の中堅行員です。30年目(51歳)では別会社に出向(給料激減)する運命の業界、それまでにFIRE※出来ないか真剣に考えるようになりました。 妻、子供5人の大家族で生活費もかさむ中、少しでも収入を増やすための「自己成長」、無駄遣いをしない「倹約」、お金を増やす「資産運用」の3つの軸で自らを律する為にブログを始めます。 ご覧になった方へ少しでも有益な情報にするためにも、精一杯がんばります。 ※Financial Independence, Retire Early=「経済的自立と早期リタイア」
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