フィンランドとスウェーデンは18日、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請した。
事務総長『温かく迎える』
ベルギーの首都ブリュッセルにあるNATO本部で両国の大使がストルテンベルグ事務総長と面会した。
ストルテンベルグ氏は「温かく迎える」と述べ、加盟手続きを急ぐ考えを強調した。
NATO加盟国は30から32へ
実現すれば、NATO拡大は2020年3月の北マケドニア以来となり、加盟国数は現在の30から32となる。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、フィンランドとスウェーデンは長年守ってきた軍事的な中立政策を放棄し、バランス外交と決別する。
フィンランド、スウェーデンはEUでも中立を保ってきた
スウェーデンは戦争に主体的に関与せず、約200年にわたって中立を保ってきた。
フィンランドは1939~44年に2度にわたってソ連と戦火を交え、領土の一部を失った。
48年にソ連と結んだ条約はフィンランドの中立路線を明記したが、有事の際の軍事協力も盛り込んでいた。
フィンランド、スウェーデンはともに欧州連合(EU)の加盟国だ。これまでNATOとの協力を推進してきたが、非加盟は貫いていた。フィンランドはロシアと経済協力を進めるなど配慮を続けてきた。
だが、ロシアが一方的な侵攻に踏み切ったことで中立を守っても安全を確保できるとは限らないとの判断に至った。
トルコが加盟承認に慎重姿勢、数ヶ月かかるか
加盟交渉の期間は数週間程度とみられるが、その後既存の加盟30カ国が批准する必要がある。
両国の加盟については加盟国のトルコが慎重な姿勢を示している。加盟までは数カ月かかる可能性がある。
所見
フィンランド、スウェーデンとも中立的な立場は危険と判断した。
軍事力は国民を守る。NATO加盟は軍事力を手にする事と同じ。
ただ、トルコが反対しNATO加盟を手こずっている間に攻められたらどうなるか。
イギリスとの安全保障協定だけで乗り切れるか。