ロシアは敵国、他国が嫌がることをする。
一方、諸刃の剣でありロシアも資金流入が減ってしまう。
西側諸国との我慢比べであるが、どちらも『まいった』を言わない。この争いが数十年間続く可能性がある。
ロシア『ノルドストリーム』停止延長
9月5日の欧州市場で天然ガス価格が急反発し、指標のオランダTTFが前週末2日と比べて一時4割近く上げた。
ロシアが主要パイプライン「ノルドストリーム」を通じた欧州向け供給の停止延長に動き、冬に向けた需給逼迫の不安が再燃した。
欧州景気の先行き懸念から株式や通貨も売られ、ユーロは対ドルで20年ぶり安値を更新した。
金融情報会社リフィニティブによると、TTFは10月渡しの取引で1メガワット時あたり280ユーロ台と、前週末より4割近く値上がりする場面があった。
ロシア国営ガスプロムは2日、タービンの補修を理由に8月31日から止めているノルドストリーム経由のガス供給について、再開を当面延期すると発表した。
ガス価格は欧州各国の貯蔵率の積み上がりなどを受けて直近は低下傾向にあったが「供給がしばらく滞るリスクを織り込む動き」(市場関係者)が巻き返した。
欧州では株安、通貨安
欧州金融市場では株安と通貨安が進んだ。
ユーロは1ユーロ=0.98ドル台後半と、対ドルで2002年12月以来の安値水準をつけた。
ポーランドやハンガリーなどの東欧や、北欧の通貨も対ドルでほぼ全面安になった。
仏ソシエテ・ジェネラルのキット・ジャックス氏は5日付の投資家向けメモで「(ウクライナでの)紛争が続く限りロシアからのガス流入はあてにならない」と指摘し、欧州通貨には下落圧力が残るとの見方を示した。
ドイツの株価指数DAXは前週末比で一時3%を超えて下げた。