太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
小中学生にタブレットは配られたが、利用できていない実態。
各国に比べても相当遅れている🤔
義務教育の子どもにパソコンやタブレット端末を1人1台ずつ持たせる「GIGAスクール」構想が空回りしている。
国の予算でばらまかれた端末を持て余す現場からは「もう返したい」との声も出る。
日本のITでの教育は最低レベル
日本の教育ICT(情報通信技術)はもともと主要国で最低レベル。
責任の所在がはっきりせぬまま巨額の税金を投じたあげく、政策が勢いを失いつつある。
「紙と鉛筆でなければ頭に残りませんよ」。
神奈川県の中学校にICT支援員として派遣された山本真理さん(仮名、40代)は、中堅教師から本音を聞かされた。
日々の業務が山積みの学校現場にとってGIGAスクールは「国から降ってきた話」であり、前向きに受け止めるムードになりにくい。
パソコンが苦手な先生がベースに
一部の若い教師が関心を寄せても、学年や教科で足並みがそろわなければ「保護者から『不公平』というクレームがくるかもしれない」といった組織の論理が優先されがちだ。
山本さんは「結果的にパソコン授業をやりたくない先生やデジタル機器を扱うのが苦手な先生に合わせる流れができてしまう」と実態を明かす。
ネットいじめも深刻な問題
調べもの学習で子どもに自由にネット検索させると、授業の統率が取りにくい。
ネットいじめも深刻な社会問題だ。
国際大学GLOCOMの豊福晋平准教授は「手間の割に効果がなく、なぜリスクを負ってICTを取り入れるのかと考える教師もいる」と解説する。
タブレット等の1人1台は98%で実現
GIGAスクール構想は2019年10月の消費増税に伴う経済対策として前倒しで進められた。
タッチパネル機能付きのパソコンやタブレットに約3000億円の予算を計上し、全国自治体の98%で「1人1台」が実現。
校内の通信ネットワークを整備したり、山本さんのようなICT支援員を雇ったりする費用を含めて総額で約4800億円の税金を投じている。
教育ICTの遅れを挽回したい
大がかりな政策の狙いは、教育ICTの遅れを挽回することだった。
経済協力開発機構(OECD)の18年調査で、日本は国語の授業でデジタル機器を使う割合が14%にとどまった。
毎日かほぼ毎日コンピューターで宿題をする割合はわずか3%。いずれも主要国で最下位に沈んでいた。
オンライン授業は進まない
ところが、国から自治体、教育委員会、さらに学校という歯車はかみ合わない。
それが露呈したのがコロナ緊急事態宣言下のオンライン授業だ。
21年9月に夏休みを延長したり、時短授業をしたりした小中学校のうち文部科学省の調査に「実施する」と回答したのは約3割。
国によって感染状況が異なり単純比較できないが、レノボ・ジャパンの調査ではインドネシアやフィリピンを下回った。
「自宅にネット接続環境がない児童もいる。
ルーター機器の貸与を申し入れたのだが……」。
大阪府内のある小学校長は21年春の不毛なやり取りを振り返る。
貸与ルーターも国の予算に計上されていたが、自治体の担当者は「困っているのは、どこの学校も同じ」と、取り合ってくれなかった。
理想と遠いデジタル機器の利用
1人1台の端末は学習指導要領の改訂で本格的に始まったプログラミング教育などに使われてはいる。
ただし、「公正に個別最適化され、創造性を育む学び」という理想とは遠い。
デジタル機器による課題解決型の授業を取り入れている埼玉県戸田市の戸ケ崎勤教育長は「児童生徒がデジタルのメリットを踏まえ、主体的に利用すべきだ」と指摘するが、こうした先進自治体は限られる。
仕掛けたのは経済産業省
関係省庁にも温度差がある。
約4800億円の予算は表向き文部科学省の所管だが、目玉政策として1人1台を仕掛けたのは経済産業省だ。
生徒それぞれの学習の進捗に合わせて人工知能(AI)で問題を作成するような「エドテック」を振興する意図がある。
一方、文科省はリーマン・ショック後の09年、教材を大型モニターに映し出す「電子黒板」などの導入を進めた「スクール・ニューディール」のトラウマがある。
電子黒板は教師らにメリットが伝わらず、「宝の持ち腐れになってしまった」(同省幹部)。
GIGAスクールの実現に奔走してきた経産省の浅野大介教育産業室長は、1人1台の実態について「国からの発信もまだ弱く、現場で活用はほとんど進んでいない」と認める。
そのうえで教育ICTの重要性を「口を酸っぱくしてでも言い続けなくてはならない」と巻き返しに期待をつなぐ。
教室や家庭で端末を具体的にどう使うか国に強制力はなく、成功事例を積み重ねて社会の支持を広げるしかない。
端末は25年前後に更新時期を迎える。
責任体制を明確にして政策を再起動しなければ、めったに使われないパソコンに巨額の税金を費やし、子どもたちの教育機会も奪うことになる。
「使わせない」がリスク増幅
世界ではSNS(交流サイト)での公私の区別、フェイクニュースに振り回されないためのリテラシーといった「デジタル・シチズンシップ」の教育が盛んになっている。
デジタル社会を生きる子どもたちに自律的なコミュニケーションや批判的な思考を教える。
とりわけ米国はトランプ前政権下でネットを通じて陰謀論が広がり、社会の分断を招いた反省がある。
デジタル・シチズンシップの教材も多い。
米国の非営利組織、ニュース・リテラシー・プロジェクトの「チェッコロジー」では、SNS上の個人投稿に似せた広告の存在や、報道記事と記事スタイルの広告との見分け方などを学ぶ。
シンガポールの研究組織、DQインスティチュートはネットの潜在的リスクを教えるゲーム形式の「DQワールド」を手がける。
日本はネットから遠ざけたがる
一方、日本の学校教育では、スマートフォンやゲームに依存することへの注意喚起が多い。
デジタル・シチズンシップを教えるよりも、学習の妨げになるネットから遠ざけたいという意図がうかがえる。
民間調査で保護者が「1人1台」のGIGAスクールに慎重なのも端末が「遊び道具になる」と懸念しているからだ。
いまや10代の主な情報源はSNSであり、「なるべく使わせない」という教育はむしろリスクを増幅しかねない。
法政大学の坂本旬教授は「情報を疑う訓練が十分ではない」と警鐘を鳴らす。
所見
デジタルに疎い先生に合わせて授業が構成される。
若手の先生も、不公平にならないように、合わせるしかない。
日本が教育が世界で遅れていくだけでなく、デジタル分野で遅れをとってしまう。
これは由々しき問題。