認証バッジ、月1,170円に
米ツイッターは5日、著名人などに限定していた「認証バッジ」の付与を含む一般向けの有料サービスを近く始めると明らかにした。
同社を買収した米起業家、イーロン・マスク氏によるサービス変更の第1弾となる。
米国における料金は月7.99ドル(約1170円)で、一部の利用者に新サービスの通知を始めた。
同社は著名人や公的機関などのアカウント名の右側に青色のチェックマークを付け、本物であることを保証するために利用してきた。
10月27日に同社の買収手続きを終えたマスク氏は認証の仕組みが不透明などと主張し、一般の利用者も一定の対価を支払えば取得できるようにする考えを示していた。
認証バッジは2021年に米国などで始めた有料サービス「ブルー」を刷新し、その一部として提供する。
ブルーは現在、米国での価格を月4.99ドルとしているが、7.99ドルに値上げする。
表示する広告の量を従来の半分に減らすほか、従来よりも長い動画の投稿、検索などで利用者の投稿を優先的に表示するといった特典も付ける。
米国に加え、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国で提供する方針だ。
こうした内容を5日、米アップルの基本ソフト(OS)「iOS」を搭載したスマートフォンなどを所有している利用者の一部に通知した。
日本などでの提供の予定や、既に認証バッジを取得しているアカウントの取り扱いなどについては明らかにしていない。
ツイッターでサービス開発を担当する幹部、エスター・クロフォード氏は5日、ツイッターへの投稿で「新たなブルーの提供はまだだが、もうすぐ始まる」と述べた。
同日に通知が届いたことについては、「リアルタイムでテストを実施して変更を加えているため、一部の利用者から見える状態になった」と説明した。
広告収入に9割依存、8年間赤字
ツイッターは売上高の約9割をインターネット広告に依存しているが、この分野は米グーグルや米メタなどとの競争が激しくなっている。
また、過去10年のうち8年間は最終損益が赤字になるなど収益基盤の弱さが指摘されており、マスク氏は今春に買収の意向を表明した直後から、広告に頼らない形で稼ぐ力を強める考えを示していた。
マスク氏はツイッターの投稿管理の基準を緩めることを主張し、買収完了の直後からヘイトスピーチ(憎悪表現)やいじめ、陰謀論の増加を警戒する公民権団体などが大手企業に広告の出稿を止めるように働きかけている。
マスク氏はこうした動きにより「1日あたり400万ドル以上の損失を出している」と説明しており、有料サービスの重要性が高まっている。