マネーロンダリング対策を審査する国際組織「FATF」が30日、小規模な金融機関などで対策が不十分とし、日本はマネロン対策で再び不合格となった。
評価を4段階で下から2番目の「M」評価で「重点フォローアップ国」に区分けされ、今後5年間で改善状況をFATFに3回報告する必要がある。FATFは200以上の国・地域にマネロン対策を勧告する。同区分にされたのは、日本の他はアメリカ、中国、韓国など19カ国。
「大手金融機関はマネロンリスクについて適切な理解を有している」としたが、一部の規模が小さい金融機関は「理解が限定的だ」と指摘。特に「継続的顧客管理」が指摘されている。
口座開設時の本人確認や目的の聞き取りといった対応は進んでいるが、開設後も取引に不審な点が無いか、本人が使っているかの継続的なチェックが不十分とされた。
FATFは2008年の審査の後、改善の進捗が遅いとし日本を「マネロンに甘い国」と烙印を押した。
テロのリスクが身近な欧米を中心にテロ資金源となるマネロン対策への視線は厳しく、対策が甘いとされると、国内金融機関は海外での活動にも影響する。
所見
勤め先でもFATFは相当時間をかけ対策していたが、それでも不合格。一つの口座開設するのに、1〜2万円はコストをかけている。大半の金融機関が対策しても、一つでも対策不十分な銀行があれば、アウトとなる。
一方、超低金利の時代に、口座開設時と継続的な口座チェックを行うのはコストが合わない。
特に小さな金融機関は、対策する人員もいない。マネロン対策を本当に行いたいなら、金利を上げるなり、口座開設手数料、維持手数料を取れる仕組みに国が動かなければ、現実的では無い。これ以上金融機関を虐めるのはやめてほしい。
そして、ビットコインなどの暗号資産は全く検査の対象外となっているのが納得できない。試しに口座開設したが、すぐに完了した。送金も簡単で何のチェックもされない。FATFも時代についていけていない気がする。