経済協力開発機構(OECD)加盟国を含む130超の国・地域は国際的な法人課税の新たなルールづくりで最終合意する調整に入った。
法人税の最低税率は15%を軸に検討
最低税率は15%を軸にし、2023年度に導入をめざす。10/8にも事務レベルで合意文書をまとめ、閣僚レベルでは13日にアメリカで開く20カ国(G20)の財務相・中央銀行総裁会議で最終合意をめざす。
最低税率は7月の大枠合意で「少なくとも15%」とすることで一致した。大枠合意を見送ったアイルランドが、最終合意に加わるかが焦点の一つだ。税率12.5%で多国籍企業が多く拠点を置く代表的な低税率国だ。
巨大IT企業を念頭に置いたデジタル課税も並行して議論
デジタル課税は、ある国や地域に物理的な拠点がなくても、サービスの利用者がいれば税負担を求められるようにする仕組み。グローバル企業の税逃れを防ぐ狙いだ。主な企業はGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)。
デジタル課税は売上高200億ユーロ(2.6兆円)税引前の利益率が10%超の企業を対象とすることで合意している。利益率が10%を超える部分について、20〜30%の課税権を売り上げがある国・地域で配分すると決めているが、いずれも幅があり具体的水準はまだ決定していない。
所見
グローバル化が進み、企業はどの国にでも拠点を移せる。IT企業は物理的なサービスは無く、ネットを通しての商売であるため、税金が低い国で商売すれば得。
利益最大化を考える企業であれば、国を移動するのは当たり前のことに感じる。そのシワ寄せを受けているのが個人、法人税が取れない分は個人を増税する流れだ。個人は簡単に国外に逃げられない。
弱いものから金を取るのは、いつの時代でも起きている。