太郎
おはようございます❗️
あと15年でFIREを目指す、企業戦士のメガバンク太郎と申します😊
とうとうフェイスブックがデジタル通貨から撤退。ただし、この挑戦は世界に大きな影響を与えた🤔
米メタ(旧フェイスブック)が主導したデジタル通貨「ディエム(旧リブラ)」が発行の断念に追い込まれた。
SNS(交流サイト)の利用者に利便性が高いサービスを提供する計画だったが、通貨秩序への挑戦ととらえた各国政府・中央銀行が包囲網を形成。
計画延期を繰り返していた。
今後は中銀デジタル通貨(CBDC)の開発が加速しそうだ。
ディエム発行断念を発表
「規制当局との対話のなかでこのプロジェクトを先に進められないことが明らかになり、資産売却が最善と判断した」。
ディエムを発行する準備を進めてきた米ディエム協会(旧リブラ協会)の幹部は31日に発表した声明で悔しさをにじませた。
2019年、リブラ協会設立
フェイスブックなどは2019年にリブラ協会を設立し、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した決済システムを開発してきた。
事業の継続は難しいと判断し、技術資産を米銀行持ち株会社のシルバーゲート・キャピタル・コーポレーションに1億8200万ドル(約210億円)で売却する。
価格変動を抑え、誰でも使えるを構想
フェイスブックは当初、銀行口座を持たない人たちにも金融サービスを提供する「金融包摂」を目標として掲げた。
さらに法定通貨を裏付けとする「ステーブルコイン」とすることで、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の欠点とされてきた価格変動の大きさを抑えることを狙った。
「通貨ではなくグローバルな決済システムを作るのが目的だ」とフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は繰り返したが、当局の警戒が解けることはなかった。
リスクもあるとFRBが懸念を表明
「利点もあるがリスクもある」。
計画の発表直後、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は懸念を表明し、各国の金融当局や政治家、学識経験者も問題を指摘した。
金融システムの不安定とマネロン対策不備
金融システム安定性を損なうとの懸念に加え、マネーロンダリング(資金洗浄)対策が不備との指摘を受けた。
フェイスブックが16年の米大統領選で大量の個人情報の不適切利用問題を起こしたことなどを理由に、プライバシー保護を心配する声も上がった。
複数通貨から単独通貨へ変更も進まず
フェイスブックはその後、裏付けを複数の通貨とするバスケット方式を辞め、単独通貨ごとの裏付けに変更するなどの計画修正をおこない、名称もリブラからディエムに改めた。
当初計画に加わっていた米ビザやペイパル・ホールディングス(HD)など有力企業が櫛の歯が抜けるように離脱。
規制当局の態度も軟化することはなかった。
リブラが与えた影響は大きい
リブラは実現こそしなかったが、世界の金融システムに大きな影響を与えた。
世界の中銀が触発される形で、一斉にCBDCの準備・検討に入ったからだ。
国際決済銀行(BIS)のリポートによれば、世界65カ国・地域のうち6割がデジタル通貨の実験段階に進んでいる。
CBDCを発行する国が出てきた
20年にはカンボジアとバハマ、21年にはナイジェリアがCBDCを発行した。
中国はデジタル人民元を試験発行しており、22年にも本格発行を視野に入れる。
21年に実証実験を始めた日銀の黒田東彦総裁は1月、CBDCの発行可否について「26年までに判断する」と述べた。
FRBも1月に初めてCBDCの報告書を公表した。論点整理が中心の内容だが、議会では賛成派・反対派の議論が活発になっている。
競合他社はフェイスブックのサービスを避ける
フェイスブックが足踏みを続ける一方、競合企業はデジタル技術を活用した決済・送金サービスを大きく伸ばした。
フェイスブックが主導するサービスを避ける動きが広がる。
米ツイッターの創業者であるジャック・ドーシー氏が率いる米ブロック(旧スクエア)などはビットコインへの対応を強めている。
ステーブルコインの市場規模は1年で5倍
コインマーケットキャップによると、ステーブルコインの市場規模は1年前の約5倍に当たる1700億ドル強に達した。
当初はリブラ協会への参画を検討していたペイパルHDなどが独自に立ち上げを検討しているほか、ディエム協会の資産を買い取るシルバーゲートも年内の発行を予定している。
マネロンなど既存の金融規制との整合性をとりながら、CBDCとのすみ分けが進む。
未来の決済はCBDC、ステーブルコイン
その先にある未来はブロックチェーン(分散型台帳)上でCBDCやステーブルコインを低コストで瞬時に交換できる世界だ。
米ビザはデジタル通貨やステーブルコインなどを相互接続する「UPC」構想を公表。
1月にはイーサリアム関連企業の米コンセンシスと提携した。JCBもデジタル通貨を相互に交換できるプラットフォームの開発に乗り出す。
経済がデジタル化しているのに「お金」のデジタル化は非常に遅れている。
貿易金融などで顕著な紙でのやりとりがいまだに残っているほか、世界の金融機関が参加する国際決済ネットワークであるSWIFT(国際銀行間通信協会)は米ドルと密接に結びつき、高コストな金融システムを温存してきた。
リブラはこうした問題にメスをいれたといえる。
所見
民間企業が通貨を発行することに、世界中の中央銀行が反対したのであろう。
通貨を管理できなくなれば、金融政策も行えなくなり、徴税も難しくなる。
ただし、フェイスブックの挑戦はデジタル通貨が世界で加速する火付け役となった。