ロシアの外貨建て国債が、債務の支払いを実施できない「債務不履行(デフォルト)」になる公算が大きくなった。
ロシア国債の元利払いを認めない米
米財務省は24日、ロシアから国債の元利払いなどを受け取れなくすると発表した。米国の投資家への利払いが事実上不可能になる。
デフォルトと認定されれば、ロシアの国際資本市場からの資金調達がさらに難しくなる。
米財務省の特例は25日で失効し、米国の投資家はロシアからの利払いを受け取れなくなる。
次の利払いは27日の予定だったが、ロシア財務省は20日に「義務を完全に果たした」と発表している。
6月、4億ドルの利払いできなければデフォルト
もっとも6月下旬には約4億ドルの利払いを控える。
利払いには15日や30日の猶予期間が設けられている。
この猶予期間を過ぎても投資家が利払いを受け取れない場合、7月にもデフォルトと認定される可能性がある。
通常は格付け会社が、デフォルトが生じたかどうかを判断する。しかし、主要格付け会社はロシア国債などの格付けから撤退している。
このため、国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)傘下の決定委員会がデフォルトを認定するとみられている。
決定委員会は、デフォルト時に元利金を受け取れる「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれる保険に近い商品の対象債券について、デフォルトの是非を判断する。
デフォルトに認定されると、CDSの売り手が元利金の支払いを迫られる。主なCDSの売り手は欧米の金融機関とみられている。
ロシアは国際資本市場から排除か
野村総合研修所の木内登英氏は「(CDSの売り手である)大手の金融機関の規模からすると、元利金は問題なく支払える金額とみられ、市場の混乱を懸念する声は少ない」と話す。
その上で「ロシアはデフォルトを最後まで認めない可能性が高く、国際資本市場に復帰するには相当な時間がかかるだろう」とみている。
所見
一般の投資家はロシアには投資しないだろう。
中国やインドなどが、救いの手を出すか。
国際資本市場から排除されたら、どうなるか末路を見届けたい。